- インプラントは、どの歯科医院でも安心して治療が受けることができるでしょうか?
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歯科医であればインプラント治療を行えますが、ドクターによって知識、技術、経験に大きな差があります。それだけに良い先生を選ぶ必要があります。
基本的には、インプラントの看板を掲げている歯科医院、デンタルクリニック、インプラントセンターであればインプラント治療を受けることが可能であると思います。ただし、安心して的確なインプラント治療が受けるかどうかになると問題が多いと思います。CTやコンピューターシミュレーションをしない歯科医院が多くあり、不適切なインプラント治療が漫然と行われている現実もあります。インプラント治療の必要条件を満たしているかどうか、歯科医師がしっかりした技術を持って安心して任せられる、トラブルシューティングも十分できるドクターかどうかを見極めることが必要です。
日本口腔インプラント学会や日本顎顔面インプラント学会などの学会があり、専門医・指導医を設けていますが、その先生たちが十分な知識・技術・経験を持っているとは限りません。インプラント治療の十分な訓練を受けることができる施設は国内にはなく、国内外の学会やインプラントの講習会などを通して自分で勉強します。私自身が国際口腔インプラント学会の資格習得のための講習会を主催して、多くのインプラント治療を行う歯科医師に教えた経験から言わせていただくと、このような学会の認定医、専門医、指導医を持たれておられるドクターは一定の技量を持っていると思います。その一方で、1日か2日の講習を受けただけでインプラント治療を始める歯科医師が多いことも事実です。しかし、非常に高度な技術を必要とするインプラント治療に対応できるのかということに関いては、そのドクターの経験にもよりますので本当に良いドクターを見つけることが大切です。
- 名医として雑誌で紹介されている歯科医院やインプラントセンターは信用できますか?
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ほとんどが広告料を払って記載されるため信用できません。
いろいろな雑誌でインプラントの名医や信用できると謳った記事がありますが、基準がはっきりせず何を持ってインプラント治療が優れているという判断をしているかが不明です。多くの場合には掲載料を支払い、その支払った額によって記事の大きさが変わることがほとんどです。最終的には実際にクリニックに行って院長先生や執刀する先生と十分お話になって決定するのがよいと思います。
- インプラントを入れると普通の歯のように噛めるようになりますか?
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インプラント治療は、人工歯根を使って自然の歯に近い状態を再現するものです。したがって、インプラント治療後は、普通の歯のように噛めるようになります。
- 入れ歯やブリッジの方が良いと言われた(インプラントはよくない)
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患者さんのことを考えていう場合とそのドクタ-がインプラント治療を行えないので、そういう場合もあります。セカンドオピニオンを聞く方法があります。
インプラント治療はほとんどの方で受けることができる素晴らしい治療法です。歯科医が自分の歯を失った場合にはほとんどの歯科医がインプラント治療を選択すると思います。もちろん、大きな病気を患っていて、手術ができない、骨髄炎などの骨の病気でインプラント治療ができない場合もあります。しかし、骨の量が足りないなどは骨移植や再生医療で骨を作ってやることで治療が受けれるようになります。インプラント治療に消極的な歯科医師もいますが、本当に患者さんにとってそれが不利益をきたすと考えているのか、自分では十分にできない満足のいく結果を得る自信がないなどの理由の場合もあるので、その先生に聞いてみるのが一番です。また、セカンドオピニオンを積極的に利用することも重要かと思います。
インプラント治療は大学でほとんど教えませんので、インプラント治療に関する知識、技量のない先生が非常に多いのも現実です。そのような歯科医師の場合には自分ができないからという理由でブリッジ、入れ歯を進める先生もおられますので注意が必要です。セカンドオピニオンで意見を聞いたり、自分自身で調べるなどが重要です。
- インプラント治療は誰でも受けることができますか?
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ほとんどの方が受けることができますが成長期の子供は受けることができません。年齢の制限はなく高齢の方でも治療が可能です。
高血圧や糖尿病などの方も含めて、ほとんどの方はインプラント治療が可能です。しかし、インプラント治療には手術が必要であることから、治療前に、十分な全身的な診査診断をすることが重要で、インプラント埋入手術が可能かどうか、血液検査や主治医の先生がいる場合には問い合わせなどをすることなどを含めて、詳しく診査します。
一方、成長期の子供は体の成長とともに顎の骨も成長しますので、インプラントの位置が変化したりしますので、子供にはインプラント治療は適しません。(特殊な場合を除きます)女性は18歳、男性は20歳頃に顎の成長が止まりますので、それ以降にはインプラント治療が可能です。
- 歯周病なのですが、インプラント治療は受けられますか?
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受けられます。治療前後の歯周病治療、手術後のケアが重要で、不可欠です。
歯を失う理由で多いのが歯周病であり、失った歯を取り戻すのがインプラント治療になります。その点で歯周病の患者さんがインプラント治療を受けることは非常に多いのが現実です。歯周病のために顎の骨がやせてしまったような場合にも骨を再生などしてインプラント治療を行うことは可能です。
ただし、歯周病の患者さんはインプラント周囲炎になる可能性も高いのも事実です。それを解決するためには、インプラント治療前と後の歯周病治療、メンテナンスが非常に重要になります。毎月のメンテナンスをお勧めします。
- 金属アレルギーなのですが、インプラント治療は受けられますか?
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受けられます。インプラント治療に用いるチタンのアレルギーは極めてまれです。
インプラントの顎に埋め込む部分はほとんどがチタンです。金属アレルギーは主にニッケルやクロムが原因になります。その他、銀やパラジウム、水銀などで金属アレルギーを起こすこともあります。インプラントで使う素材はチタン製です。金属アレルギーの方のために、チタン製の腕時計も発売されていることからわかるように、チタンは金属アレルギーを起こさない安全な金属です。
チタン以外に人工ダイアモンドのジルコニアインプラントがありますが、ブローネマルク博士が発見したのはチタンと骨の結合であってジルコニアと骨の結合ではありません。チタンアレルギーの方は極めてまれですが全くないわけではないのでそのような方は検査が必要になります。
- 治療期間はどのくらいかかるのですか?
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治療内容によって個人差がありますが、インプラントの埋め込みから終了まで、下顎で3ヶ月、上顎で4ヶ月以上の期間が必要です。
治療内容によって個人差がありますが、インプラントの埋め込みから終了まで、下顎で3ヶ月、上顎で4ヶ月以上の期間、埋め込んだインプラント体と骨が結合(=オッセオインテグレーション)するために必要です。結合が確認できれば歯の部分(上部構造)を骨の中にあるインプラント体と結合することになります。その時も一度、仮の歯を入れてかみ合わせなどを十分に調整してから最終的な歯の部分を入れるなどした方がよいと思われます。そうすると少なくとも4か月から半年、長い場合には1年をかけて治療することになります。
歯を抜いた直後にインプラント体を入れる方法や歯の部分を早く入れるなど治療期間の短縮を唱っている歯科医院やインプラントセンターなどを見かけますが、埋めたその日に仮歯を入れることはインプラント体が骨に結合していない状態でかみ合わせの力をかけることになりインプラント治療が不成功に終わるリスクが高くなります。その意味では4か月から半年は長く感じるかもしれませんが、時間をかけてじっくり治療した方がよいかもしれません。
- インプラントはどのくらいもちますか?一生使えますか?
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天然歯と同様と考えて下さい。
天然歯と同じですので、きちんとメインテナンスしていけば長期間の使用にも耐えます。長持ちさせるために定期的なチェックと正しいケアを行ってください。
インプラントそのものは、体となじみが良いチタンでできています。長持ちさせるために最も重要なことは、自分の歯と同じような毎日の手入れです。現在のインプラント治療を始めたスウェーデンのブローネマルク医師が1965年に1例目の手術をされた患者さんは亡くなるまでの41年間インプラントを使用していました。
- 激安インプラントとの違いは?
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表示価格と実際にかかる費用が異なり、追加料金を請求されることもあり注意が必要です。また、安全確実なインプラント治療のために必要なステップを省いていることもありますので、治療の質をチェックすることも必要です。
安いのには理由があるはずです。どこのメーカーのインプラントかわからないメーカーのインプラント体を使ったり、CT撮影やコンピューターシミュレーションといった必要なステップを省いたりして費用を浮かしている可能性が高いと思われます。インプラント体の手術だけの費用をHPなどに記載して、後で歯の部分を請求するクリニックもあるようなので注意が必要です。
- インプラントの手術は安全ですか?痛みはどのくらい伴いますか?
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十分な知識と技術をもつ術者であれば、安全です。痛みやストレスも感じません。
インプラント治療に十分な知識と技術、そして経験を持っている術者であれば、インプラント治療は極めて安全な治療です。また、手術は十分な局所麻酔下で行われますので、痛みを感じることはありません。確かに、術後2~3日は腫れたり、若干、痛んだりすることもありますが、鎮痛剤の服用で痛みにより苦しむことは全くありません。通常歯を抜いたときと同程度かそれ以下の経過であると思っていただければ幸いです。術部の腫れも通常1~2日でひきます。先ほどの述べたように、術後の感染予防に抗生物質や、また、痛み予防に鎮痛剤を処方しますので心配ありません。
インプラント治療に十分な知識と技術、そして経験を持っている術者であれば、インプラント治療は極めて安全な治療です。さらに、最も大切なのは、万が一何か問題が起きた時にそれに十分対処できるドクターが治療に当たるかどうかです。痛みやストレスに関しては笑気ガスによる鎮静やリラックス麻酔(静脈鎮静)により、ほぼストレス(怖い、緊張するなど)を感じることなく、ベットで休んでいるような感覚で手術を受けることができます。
- どんなメーカーのインプラントでも大丈夫ですか?
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クリニックを変える時やトラブルがあった時のために、歯科医に使用メーカーを聞くことは重要です。
国内、国外あわせて何十社というインプラントメーカーがあります。実績のある会社以外に、原価の安さを売りにしたものや、独自のコンセプトで作られたものもありますが、コピー商品のようなメーカーがあるのも事実です。患者さんが聞かないとどこのメーカーのものを使っているのか言わない歯科医院も存在します。
治療前にはどこのメーカーのインプラントを入れるのかを聞き、ネットなどで調べるのもよいかもしれません。
- 手術前にどんな検査が必要ですか?
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CTなどの画像検査とコンピューターシミュレーション、全身状態のチェック検査は必須です。
インプラントの手術は顎にドリルなどで穴をあけてチタン製の人工歯根を埋入するれっきとした手術です。そのために顎の状態を怨嗟するためのレントゲン画像と三次元的な顎の形を把握するためのCTによる検査、そしてインプラントを適切な場所に埋入するためのコンピューターシミュレーションは必須です。
これを行ってくれない歯科医院、インプラントセンターは費用が安くてもインプラント手術を受けるべきではありません。
また。手術であることから場合によっては血液検査なども含めて全身状態の把握は必要でしょう。
- インプラントと治療に必要な骨がないと言われましたが?
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骨の量を増やす手術を行えば可能です。骨を増やす手術には知識と技術が必要です。
歯周病などで歯を失った場合は、顎の外傷、腫瘍などの切除で顎の骨を失ってしまった場合に様々な方法で骨を作ることが可能です。
しかし、骨を作るには非常に高度な技術と経験が必要で多くの経験を持つ口腔外科医による施術が望ましいと思います。
骨造成の方法には、骨移植、GBR法(骨再生誘導法)、サイナスリフト(上顎洞挙上術)、ソケットリフトなどの方法があります。
- 手術時間はどれくらいでしょうか。
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1本約15分程度です。長くても1時間半です。手術は時間ではなく、丁寧であることが一番であることは間違いありません。
もちろん手術の前には感染予防の点から、口腔内のクリーニングや消毒を行います、これに数十分かかりますが、埋入手術に関しては、1本あたり15分程度で終わります。
骨造成や歯肉を移植するような手術を同時に行う場合には、もう少し時間がかかりますが、術前に手術計画を慎重に行うことで時間短縮が図れます。手術は時間ではなく、丁寧であることが一番であることは間違いありません。
- 手術後に気をつけることはありますか?メンテナンスは?
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手術直後に食事や仕事をするなど普通に生活しても大丈夫です。
手術直後でも、運動をしたり、お酒を飲んだりして血流の良くなるようなことをしない限り、デスクワークや家事程度であれば普通の生活をしても問題ありません。ただ、歯を抜いた直後にインプラントを埋入(即時埋入)し、入れた仮歯ですぐに噛むなど噛む力を加える時には、柔らかい食事に気を付けることも重要です。
手術から一週間前後経てば、歯肉も落ち着きますので、天然歯と同じように毎日のブラッシングと、歯科医院での定期的なメインテナンスを行うことになります。
メインテナンスの頻度や、歯磨きやデンタルフロスなどの器具の選択、使用方法などは歯科医師または歯科衛生士の指示に従ってください。歯磨き指導を十分行い、定期検診にて、歯科衛生士によるPMTC(歯石取り、クリーニングetc)を丁寧に行います。インプラントを長持ちさせるためにたいへん重要なことです。
- 術後の痛みと腫れについて教えてください。
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基本的には、術後の痛みはほとんどありません。腫れは3日ほど若干腫れますが、その後落ち着き約1週間で落ち着きます。
痛みは、いわゆる炎症があるときに生じることが多いと言えます。インプラントを植立する場所は、施術の前にクリーンな状態にしまので、歯肉の切開による痛みは若干ありますが炎症による痛みは生じません。術後に痛みがあるのは、インプラントが痛いのではなく、歯肉の切開、切除などによる痛みです。さらに炎症を抑えるために抗生剤を処方します。抗生剤を飲んでいて痛みが徐々に引いてくる場合、それほど心配する必要はありません。
腫れは、骨をつくるとか、歯肉をつくったりするような手術を同時に行った場合には、多少腫れる場合もありますが、通常のインプラントではあまり腫れません。ただ個人により差があり、少し腫れる人もいます。腫れても術後3日目がピークで、4日目からは引き、長くても1週間もすれば落ち着きます。
- インプラントは何本埋めるのが良いの?
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1本の歯に対して1本のインプラントが理想的ですが、骨の幅や量によってそれだけの本数を入れられないこともあり、また必要ないこともあります。
1本だけ歯を失った場合、1本のインプラントを入れて、歯を作り噛むことが原則になります。3本分の歯を失った時には2本のインプラントを入れてブリッジと同じように3本の歯を作ることもあります。
実際には歯がなくなった場所、骨の幅や量をCTで撮影した顎の骨の3次元的な形態と、口腔内の状態、かみ合わせなどを総合的に判断して、どこに何本のインプラントを埋入して、そこに何本の歯を作るということを決定します。力学的な面や耐久性も考えて計画することが重要になります。
- 4本のインプラントですべての歯を支える方法があると聞きましたが?
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All on 4(オールオンフォー)という方法です。難しい方法ですが1日で歯が入り、費用が抑えられるという利点があります。
「All on 4」は、上顎あるいは下顎の歯が1本もない患者さんが、インプラント治療したその日のうちに噛めるようになるという点では画期的な方法です。しかし、力学的な安定を求めることが必要で、術前の計画が非常に重要になります。術前のコンピューターシミュレーションも絶対に必要であり、患者さんの噛み癖や噛む力の分散など非常に高度な知識と技術が要求されます。
近年、安易に「All on 4」を行う歯科医院、インプラントセンターなどがありますが、CT、コンピューターシミュレーションは必須で、非常に臨床経験が問われる治療です。力の掛かり方などが偏った場合になどは特定のインプラントに負荷がかかりますので不成功に終わる例もあり、慎重にクリニックを選択する必要があります。
- 歯ぐきを切らずにインプラント埋める方法があると聞きましたが?
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フラップレスという方法で、適応されると非常に患者さんの負担が減ります。
インプラント手術の時に、一般には歯ぐきを切開して粘膜骨膜弁という弁を作成して、骨を十分に観察してインプラントの埋入の手術を行いますが、フラップレスではメスで切開せずに歯肉パンチという歯肉を必要な分だけくり抜く器具で歯ぐきを除去して、その歯ぐきの穴からインプラントの埋入するための穴をドリルであける方法をとります。歯肉の状態によっては非常に良い方法ですが、固有歯肉(歯ぐきの堅い部分)が十分にない場合に適応したり、シミュレーションが十分にできていないとインプラント治療自体が失敗に終わることになります。
十分な知識・技量・経験を持つ歯科医師が行うべき方法です。
- 手術は痛い?怖い?
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1本のインプラント手術は歯を1本抜歯するのと変わりません。
通常のインプラント埋入手術は局所麻酔で行い、10-15分ほどで終わりますので、歯を1本抜くのと同じ程度の手術です。術後の痛みの痛み止めで十分コントロールできます。
ただし、経験豊富な知識と技量をもったドクタ-が行った場合です。ストレスを患者さんにかけないように、笑気ガスによる鎮静法や静脈鎮静法(リラックス麻酔)が行われることが常識になってきています。これらを応用する患者さんはほとんど眠ったような状態でストレスを感じずに手術を受けれます。
- インプラント治療の費用は?保険は使えるの?
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首都圏では、40~60万円程度が相場だと言われているようですが、手術代、検査代(CT、コンピューターシミュレーション)代などが含まれているか、十分に内訳を確認してください。
インプラントは保険適用外で保険が利きません。そのため自由診療扱いになり、費用は歯科医院によって異なることになります。インプラントの本数、被せる歯の材質によって変わりますがインプラントを1本入れた場合、インプラント埋入手術自体の料金は25万円程度、同時に複数本を入れる場合には20万円ほどと考えます。しかし、その他に、診察、診断、CTやコンピューターシュミレーションなどの検査費用、薬代などが必要になります。その上に、上部構造と言われる歯の部分の制作費や、インプラント体と歯の部分をつなぐ、歯肉を貫通する部分の費用などもかかります。
この他、骨や歯肉をつくる場合はその費用分がプラスされます。費用に関しては、治療に入る前に、自分の希望する治療と費用を歯科医とよく相談し、検討することをお勧めします。
- どうして健康保険が使えないのですか?
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歯を失ったときに入れ歯やブリッジなどがあるので、インプラント治療は保険適応とする必要がないと考えられています。膨大になった国の医療費という財政問題が大きく影響しています。
歯を失うという同じ病気であるのに、ブリッジや入れ歯は保険が使えてインプラント治療には使えないという問題は、膨らみ続ける医療費の問題が大きく影響しているのかもしれません。前歯などでも、一定以上の材料を使った場合には保険が使えないのと同じです。
アジアや欧米では、ブリッジや入れ歯に対しても健康保険が適応されない(虫歯や歯周用などの病気の治療には保険が使えますが、その後の歯を作るところはブリッジも入れ歯もすべて自費になる)ことを考えると、日本は幸せな国であるとも思えます。
- 税金でインプラントは医療費控除の対象になりますか?
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なります。
インプラント治療は高額な治療ですが、全て医療費控除の対象となっています。これは、その年に行われた医療費や交通費に対して、200万円までなら、翌年申告することで医療費の一部が還付される制度のことです。
- 治療の保証はありますか?
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各医療機関で設定していることが多いようです。引越しても別の同程度の技術を持つ医療機関で保証が受けられる制度もあります。
インプラントが成功する割合は95%と言われています。すなわち、5%にあたる20本に1本は何らかのトラブルに見舞われることになります。そのような場合に、再治療にかかわる費用が気になるところです。治療費には補償費が含まれている場合が多く、各医療機関の独自の保証制度をとっているところと、保証会社などと契約する場合があります。しっかりと保証してくれるクリニックを選ぶことが大切です。
また経年的な保証制度をとり、5年以内は100%保証、それ以降は50%保証などのクリニックもあります。いずれもメンテナンスをきちんと行うことが条件になっており、その条件も十分に検討してクリニックを選びましょう。
- 死亡事故があったと聞きましたが?
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インプラントの埋入手術で動脈を傷つけ、窒息死する事故がありました。同じような事故がいくつかありますが、CTとコンピューターシミュレーションなどで防げます。
2007年5月に東京都内の歯科診療所で、インプラント治療を受けた70歳の女性が手術中の動脈損傷がもとで死亡するという事故も起きました。亡くなった女性の治療を担当したのは国内有数のインプラント治療実績を誇ると自ら語る歯科医師でした。Aさんの死亡事故について業務上過失致死罪で起訴された歯科医師に2013年3月4日の東京地裁判決は、禁錮1年6カ月執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。
- インプラント治療後、インプラントが抜けてしまったのですが?
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術後の感染などが考えられます。
インプラントが抜けて落ちるということは、いろいろな理由が考えられますがいずれにしても失敗していることには間違いありません。
インプラントが脱落する原因としては 術中あるいは術後の感染、インプラント手術時のドリル(骨に穴をあけるとき)の骨の火傷、過度の圧迫、インプラントと骨の結合(オッセオインテグレーション)前に過度の力が加わる。かみ合わせの調整不足、インプラント周囲炎などが考えられます。
- インプラントのネジの部分が見えてきたのですが?
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インプラント周囲炎です。すぐに歯科医院へ行き相談しましょう。
歯ぐきが下がってインプラントのねじの部分が見えてきているということはインプラントが骨から露出していることを意味しますので、インプラント歯周炎が生じていることを意味します。インプラント治療後に口腔ケア(メンテナンス)を怠るとインプラント周囲炎になりますのでこのような症状になります。これを防いでインプラントを長持ちさせるためにもメンテナンスが非常に重要です。
インプラント周囲炎を治すためには、非常に高度な技術を必要とします。残念ながら完全に治療できる方法は確立されていないのが現状です。
インプラント周囲の感染源を除去して、特殊な処理を行い、一定のところで骨の吸収をとどめるための処置を行います。人工骨や再生医療を駆使してある程度防ぐことはできますが、その後のメンテナンスを怠れば最終的にインプラントを除去しないといけないことになります。
- インプラント治療後に歯ぐきの痛み・腫れがでて治らないのですが?
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手術や治療が適切に行われていない可能性がありますので、セカンドオピニオンを受けることをお勧めします。
せっかくインプラント治療を受けたのに美味しく食事ができない、とくに腫れや痛みが続く場合にはインプラントがうまく機能せず、感染を起こしていたり、膿がでていてインプラント周囲炎になっている可能性が高いと言えます。信じられないことですが、インプラント手術で、インプラントが骨にきちんと入っていないなどのトラブルもあります。
インプラント治療を受けた歯科医院で、相談しても「様子を見ましょう」としか言われないような場合には、積極的にセカンドオピニオンを利用して他のクリニックで相談しましょう。
不幸にもインプラント周囲炎が生じた場合には、その原因を見極めリカバリーを行う必要もありますので、早期の対応が必要となります。
- 手術後に、下唇や下アゴの皮膚の感覚が鈍い、変な感じがするのですが?
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顎の神経をドリルなどで傷つけた場合に起こるオトガイ神経麻痺が疑われます。医療事故の場合が多いのでセカンドオピニオンを受けましょう。
インプラント事故である意味最も多かった医療事故ともいえる症状です。CTとコンピューターシミュレーションで防げますが、まだ、これらを導入していない歯科医院やインプラントセンターも多く十分な注意が必要です。顎の神経をドリルなどで傷つけた場合に起こります。
事前の検査や治療がずさんなために、神経麻痺がおこったとしか考えられない場合には、弁護士さんに相談するか、セカンドオピニオンで他の歯科医師に意見を求めるなどしましょう。
- インプラントが壊れてしまった場合、抜けてしまった場合に修復する事ができますか?
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できます。
インプラント体は、フィクスチャーと呼ばれる人工歯根の部分と、アバットメントと呼ばれる土台の部分と、クラウンという被せ物の3構造から成ります。クラウンの部分が壊れてしまった場合は、比較的簡単に修復可能です。
インプラント自体が抜けてしまった場合や、その他の部位が壊れてしまった場合にも、再手術は必要となりますが修復は可能です。その場合には骨造成の手術が必要となったり、骨が再生するまで待つ必要があることもあります。
- インプラント治療と他の可撤性義歯(※筆者注=取り外しできる義歯のこと)、ブリッジ、接着性ブリッジ、移植や再植などの治療法との比較や利点・欠点、残存率(他の治療法との比較を含め、残存率は一定期間後まで埋入したインプラントが残っている率のこと)。
- 治療期間。
- 治療にかかる費用。
- 麻酔法、痛みや手術後の状態。
- 治療の方法やそれに伴う骨移植、軟組織移植などの前処置の有無や侵襲。
- 経過不良のリスクや合併症。
- 経過不良の場合のリカバリー法。
- 回復後の状態。
- メインテナンスと術後の管理法、費用。
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