患者側における安全基準

成長期を終えた成人で、口腔外科的な小手術（抜歯など）以上の観血処置が可能な全身状態を有する方を適応とし、必要に応じて手術前に前処置としての血液検査やアレルギー検査、抗菌薬の投与を行います。

インプラント治療に少なからず影響を与えると考えられる疾患としては、循環器系疾患や心疾患、虚血性心疾患（狭心症、心筋梗塞）、高血圧症、代謝系疾患（糖尿病）、消化器系疾患、肝疾患、胃・十二指腸疾患、呼吸器系疾患（慢性気管支炎、喘息、肺気腫）、骨粗鬆症、喫煙などが挙げられる。

上記のような疾患がある場合でも、その症状や内科医との連携によって多くの場合、問題なくインプラント治療を行うことが可能である。

年齢の上限はありません。骨の成長がほぼ完了する16歳以上であれば、医学的･解剖学的に条件が満たされている限りどなたでもインプラント治療を受けることができます。

一般的にインプラント手術は歯茎を切開し、あごの骨に穴をあけて純チタン製のインプラントを埋め込みます。

術前に血液検査を行うことで、血液が止まりにくい症状や傷口の治りが悪い症状などを予め想定することができ、手術可能な状態か判断することができます。 また、糖尿病などのインプラント外科に影響を与える生活習慣病のスクリーニングとしても大切です。

歯科におけるアレルギーは、ニッケルやクロムのほかには、銀やパラジウム、水銀などがあるといわれています。インプラントで使われているチタンは生体親和性が高く、アレルギーを起こしにくいと言われていますが、ごく稀にアレルギーを起こす方がいます。その場合はパッチテストや血液検査を行い、アレルギーの検査を行います。

糖尿病や心臓弁膜症等の既往をお持ちの方の場合、観血処置の前後で細菌感染を起こし易い傾向にあるため、当院では症例によりますが、手術前から点滴にて抗生剤を投与しております。手術後は鎮痛薬と抗生剤を服用して頂きます。

血圧の正常値は最大血圧が130mmHg以下、最低血圧が85mmHg以下です。
高血圧症は、最大血圧が140ミリ以上、最小血圧が90ミリ以上をさします。
脈拍の正常値は、一般成人で1分間に60～100回を正常値の範囲としています。

当院では、上記の基準値を超える場合には、かかりつけの医師に問い合わせを行います。もしかかりつけの医師がいない場合には、ご紹介させて頂くことも可能です。

高血圧症の既往がある場合、まず血圧を測定し、合併症の有無、服薬内容の確認等を行います。

必要であれば、かかりつけの医師に問い合わせを行います。もしかかりつけの医師がいない場合には、ご紹介させて頂くことも可能です。

糖尿病は、血糖値が病的に高い状態をさします。糖尿病の場合、観血処置によって感染を起こしやすい傾向にあり、また傷口の治りが悪くなることがあるため、術前に抗生剤を服用して頂く場合もあります。

必要であれば、かかりつけの医師に問い合わせを行います。もしかかりつけの医師がいない場合には、ご紹介させて頂くことも可能です。

肝硬変などの肝疾患を持っている場合、血液が止まりにくいことが考えられます。また、抗生剤によっては肝臓で分解されるものもあるため、既往をお持ちの方は注意が必要です。

必要であれば、かかりつけの医師に問い合わせを行います。もしかかりつけの医師がいない場合には、ご紹介させて頂くことも可能です。

骨粗鬆症とは、骨が構造的に脆くなって、骨折しやすくなる病気です。それは顎の骨の場合も同様で、脆くなった骨にはインプラントは埋入することができません。また骨粗鬆症の薬の中には、稀に観血処置後に顎骨壊死を引き起こしてしまうものがあり、慎重な対応が求められます。

この場合、かかりつけの医師に問い合わせを行います。必要であれば休薬をお願いすることがあります。

口腔粘膜や顎骨に病変がなく、インプラントを埋入するために必要な骨量、開口量、および対合歯とのクリアランスが十分にある患者。